第8回 札幌ゼロ読書会「本の話をしよう」に参加しました②

第8回 札幌ゼロ読書会「本の話をしよう」

参加日時:2017.11.24. 19:00-21:00
開催地:Brown Books Cafe
参加人数:8人
紹介した本:中谷宇吉郎『雪』(『雪』の感想につきましては、別建てで投稿したいと思います)

*この記事は第8回 札幌ゼロ読書会「本の話をしよう」に参加しました①の続きです。
*札幌ゼロ読書会の詳細については、主宰の井田さんが運営するウェブサイトをご参照ください。

感想(後半)

前回の投稿では、主宰の井田さん考案のワークを軸として、それについての所感をつらつらと書いてゆきました。今回は、読書会の中で出会った本について、忘れないうちに書き記しておきたいと思います。
以下、今回の読書会に参加した方が紹介された本を

書誌情報

公式サイトのURL
私の感想

の形式でリストアップします。


坂川栄治+坂川事務所『本の顔』芸術新聞社,2013.10.

本書の著者は、本の装丁を手掛けるデザイナーだそうです。本書の表紙は限りなくシンプルです。個人的には、無印良品で売っていそうなデザインだなと感じました。しかし、本を開いてみると、中身は雑誌のようなレイアウトとなっていました。このことに関し、参加者の方からは、「(本を開いた時の)意外性を狙って、あえてシンプルな表紙にしているのかも」との意見も寄せられていました。
最近チラシのデザインをすることが増えたため、本の装丁からもおしゃれ成分を摂取したいと思います。


鈴木明子『壁はきっと越えられる:夢をかなえる晩成力』プレジデント社,2014.8.

女子フィギュアスケーターと言えば、浅田真央選手や安藤美姫選手、荒川静香選手などの「華のある」選手を思い浮かべる方が多いかもしれません。そんな華々しいフィギュアスケート界で、「コツコツ型」の鈴木明子選手は独自の練習方法で実績を残していったそうです。圧倒的な才能を持った天才よりも、鈴木選手のような「コツコツ型」の人に親しみを感じるのは私だけでしょうか?本書の紹介者の方は、鈴木選手の「最大のライバルは自分である」という言葉に深く共感したそうです。紹介者の方は、独学でとある学問を収められているそうで、この言葉に励まされているとか。


スプツニ子!『はみだす力』宝島社,2013.11.

本書の紹介者の方がお話ししてくださった、著者の卒業論文のエピソードが印象に残りました。著者のスプツニ子!氏は、卒業論文の内容を細切れにし、何枚ものカードに分けて書き、そのカードを箱の中に入れたそうです。箱の中にははずれカードも一緒に入れたとか。そのカードが入った箱をそのまま指導教官に提出したというのだから、さらに驚きです。この卒業論文?卒業制作?では、現代は情報は分断され、切片として存在することを示したかったそうです。こんな破天荒な著者ですが、意外なことに、「型を知らないと、型破りなことはできない」という哲学を持っています。スプツニ子!氏の型とはいったいどんな型なのかが気になりました。

大岡信『日本の詩歌―その骨組みと素肌』岩波文庫,2017.11.

「日本の詩歌とは、また大きく出たな…」と思いましたが、著者の大岡信は詩歌の巨人だったのですね。不勉強なため、この読書会で初めて知りました。本書は著者がフランスの大学生に向けて行った、日本古典詩歌の講義をとりまとめたものです。ですので、詩歌超ビギナーでも気軽に読むことができるそうです。最近『近代日本思想案内』を読んだので、その内容ともからめて読んでみたいと思った1冊でした。


デボラ・インストール『ロボット・イン・ザ・ガーデン』小学館,2016.6.

「とにかく、登場人物のロボットがかわいいんです!」本書を読んだことのある複数の参加者の方がそういっていたので、おそらく間違いないでしょう。たしかに、表紙に描かれているロボットも素朴でかわいらしい見た目をしており、ジブリ感にあふれていました。SFに登場するロボットといえば、ガンダムやアーマードトルーパーに代表されるような、搭乗型の兵器が真っ先に思い浮かびました。また、アンドロイドが登場すると、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に代表されるように、自我の発生や人間との違いが主題となり、シリアスな展開になることが多いように思います。人間とロボットとの共生は、「鉄腕アトム」や「イヴの時間」のように、漫画やアニメの領域でこれまで表現されてきたように思います。それでも、本書ほどほのぼのとした雰囲気は醸し出していません。ロボットが登場しているにも関わらず、ひたすらほのぼのとしてハートウォーミングな作風にひかれました。


湯川秀樹『目に見えないもの』講談社,1976.12.

今回の読書会で一番「読みたい!」と思った本です。紹介者の方は、「無駄がなく、美しい文章で書かれている」とおっしゃっていました。値段も手ごろなので、買います。感想はまたのちの投稿に譲りたいと思います。


井上靖『孔子』新潮社,1995.11.


私が高校生のころ、論語の熱狂的なファンである国語の先生がいました。その先生は、毎回授業の初めに論語を生徒に論語を2節ずつ輪読させる方針をとっていました。先生の授業はものすごくためにはなりましたが、それと表裏一体でかなり厳格な指導もなさっていたので、論語および孔子に関してはいささかビターな思い出があります。そんなこんなで高校以来、漢文や中国史から遠ざかっていましたが、この本はちょっと読んでみたいかなと思いました。主人公である若き孔子研究者は、孔子がなくなった後に論語を編纂するため、孔子の弟子に話を聞きに行きます。現代で言う記者に近いのでしょうか?このような主人公が狂言回しとなっていると聞き、これなら読めそうかな、と感じました。


以上、今回の読書会では7冊の本との出会いがありました。この読書会の趣旨は「本を語る、人と繋がる」ことですが、私は「本と繋がる、人と語る」読書会でもあったように感じました。主宰の井田さん、今回もこのような楽しい会を開いてくださり、ありがとうございます!


コメント