『近代日本思想案内』

鹿野政直『近代日本思想案内』岩波書店,2014.3.

https://www.iwanami.co.jp/book/b248752.html

本書との出会い

書店で半額で販売していたため、購入(940円+税の半額なので、だいたい500円くらい)。前々から歴史系の博物館の展示を理解したい、楽しみたいと思っていたため、(半額セールの後押しもあって)とりあえず買ってみた。

感想

購入後に積読直行かとうっすら思っていたが、存外読みやすく、1週間程度で一通り読むことができた。歴史の知識が中学生どまりの私でさえするすると読めたのだから、本書は入門書として非常によくできているのだろう。博物館の展示を見に行く前や行った後などに、折に触れて読み返したいと思う。

本書内では、思想の潮流に即した著作が数多く紹介されている。本書を読むだけで読みたい本が芋ずる式に増えてしまうので大変だ。積読で家なり部屋なりが埋まってしまいそうな人は、手に取らない方がいいかもしれない。

閑話休題。読書案内の性格が濃い本書に対して感想を書くのもどうかと思うが、印象深かった箇所を忘備録的に書き残すことにする。186p「8 民本主義と教養主義 学生と教養」に、河合栄次郎の『学生生活』の一節が引用されている。
学生たちが同世代の若者の多くと異なって、「生きることに留意するすることなしに、生きることの目的である魂の生活に、多少なりとも密接の関係を持つ智識、思想、学問に、一日の全部を使用することができる」境遇にあると注意を喚起し、その境遇を生かすため、「読むことと語ることと書くこと」、「優れた思想家を目指して、思想の巡礼を試みること」、「良き師とよき友」をもつことを奨めています。そうしていいます。「諸君にして徒に焦燥に駆られるなら、諸君の前に待つものは「転向」の一路があるのみ」。
この一節は、全国の就活生の心に深く刺さるのではないかと思う。時間が許せば、『学生生活』もぜひ読んでみたい。

本書の表紙は福沢諭吉の『世界国尽』より引用されている。『世界国尽』とはいかなる本であるのか、ミネルバ書房のウェブサイトより引用してみよう。
[ここがポイント]
◎ 明治教育書のベストセラー福澤諭吉『世界国尽』(1869〔明治2〕年)のエッセンスを活かしたアクティブラーニング。
◎ 100年前の世界と比べながら現在の世界に興味をもつ。
◎ 七五調をつくって歌って覚える世界の国や歴史、文化。
(出典:http://www.minervashobo.co.jp/book/b279896.html 下線は筆者が追加 )

この仕掛け、かなり粋ではないだろうか?


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